穏やかに休むシニア犬
介護

シニアペットの介護ガイド|老犬・老猫との暮らし方

愛するペットも年齢を重ねると、若い頃とは異なるケアが必要になります。シニア期に入ったペットと快適に暮らすためには、老化のサインを早期に見つけ、食事・運動・住環境を適切に整えることが大切です。この記事では、シニア犬・シニア猫の介護に必要な知識と実践的なアドバイスを詳しくご紹介します。

1. シニア期の老化サイン

ペットの老化は徐々に進行するため、飼い主が気づきにくいこともあります。以下のサインが見られたら、シニア期に入った可能性があります。早めに獣医師に相談しましょう。

ソファで休むシニア猫

身体的な変化

  • ・毛並みが白くなる、パサつく
  • ・目が白く濁る(白内障)
  • ・歩行のふらつき、段差の昇り降りが困難に
  • ・体重の減少または肥満
  • ・口臭が強くなる

行動の変化

  • ・睡眠時間が長くなる
  • ・遊びや散歩への興味が減る
  • ・トイレの失敗が増える
  • ・名前を呼んでも反応が鈍い
  • ・夜中に鳴く・徘徊する
犬のシニア期の目安:小型犬は10歳頃〜、中型犬は8歳頃〜、大型犬は6〜7歳頃〜。猫のシニア期の目安:11歳頃〜。ただし個体差がありますので、あくまで目安としてお考えください。

2. 食事の見直しポイント

シニア期のペットは基礎代謝が低下し、消化機能も衰えるため、若い頃と同じ食事では栄養バランスが崩れたり、肥満や内臓への負担につながることがあります。

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シニア用フードへの切り替え

7〜8歳を目安に、シニア向けに設計されたフードに徐々に移行しましょう。低カロリーで高たんぱく質、関節ケア成分配合のものが理想です。急な切り替えは胃腸に負担がかかるため、1〜2週間かけて混ぜながら移行するのがポイントです。

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水分摂取量の確保

シニアペットは水を飲む量が減りやすく、脱水や腎臓への負担につながります。ウェットフードの併用や、水飲み場を複数設置するなど工夫しましょう。ぬるま湯でドライフードをふやかすのも効果的です。

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給餌回数の分割

1日の食事量を2〜3回に分けて少量ずつ与えることで、消化器官への負担を軽減できます。特に胃腸が弱くなったシニアペットには有効です。

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サプリメントの活用

グルコサミン・コンドロイチン(関節ケア)、DHA・EPA(脳の健康)、乳酸菌(腸内環境)などのサプリメントを獣医師と相談の上、必要に応じて取り入れましょう。

3. 運動量の調整方法

シニアになったからといって運動を完全にやめるのはNGです。適度な運動は筋力維持、血行促進、認知症予防に効果があります。ただし、若い頃と同じ強度は体に負担がかかるため、ペースを落として行いましょう。

老犬の場合

  • ・散歩は1回15〜20分を1日2回程度に
  • ・坂道や階段はなるべく避ける
  • ・暑い日・寒い日は短時間で切り上げる
  • ・歩くのが辛そうならカートを活用
  • ・芝生など柔らかい地面を選ぶ

老猫の場合

  • ・高い場所へのジャンプを減らす工夫を
  • ・キャットタワーにステップを追加
  • ・短時間のじゃらし遊びで脳を刺激
  • ・日光浴ができる場所を確保
  • ・無理に遊ばせず本人のペースを尊重

4. 健康診断の頻度と内容

シニアペットは病気の進行が早いため、定期的な健康診断が非常に重要です。若い頃は年1回でも十分ですが、シニア期に入ったら半年に1回の受診をおすすめします。

検査項目内容・目的費用目安
血液検査肝機能・腎機能・血糖値などの確認5,000〜15,000円
尿検査腎臓病・糖尿病・膀胱炎の早期発見1,500〜3,000円
レントゲン心臓・肺・骨格の異常確認4,000〜8,000円
エコー検査内臓の状態を詳しく確認3,000〜6,000円
眼科検査白内障・緑内障の確認2,000〜5,000円
シニアドックなど総合検査パックを用意している動物病院も多く、個別に受けるより費用を抑えられる場合があります。かかりつけの動物病院に相談してみましょう。

5. シニアペットに多い病気

加齢に伴い、さまざまな疾患のリスクが高まります。以下はシニアペットに特に多い病気です。早期発見・早期治療が重要です。

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慢性腎臓病(特に猫)

15歳以上の猫の約3割が罹患するとされます。多飲多尿、体重減少、嘔吐が初期症状です。定期的な血液検査・尿検査での早期発見が重要です。

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心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など)

小型犬に多い疾患で、咳・呼吸困難・運動不耐性が見られます。進行すると肺水腫などの深刻な合併症を引き起こします。

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関節疾患(変形性関節症)

大型犬や肥満のペットに多く見られます。歩行の変化、立ち上がりの困難、階段の嫌がりが特徴です。体重管理とサプリメントが予防に効果的です。

4

認知症(認知機能不全症候群)

犬も猫も発症します。夜鳴き、徘徊、トイレの失敗、飼い主を認識できないなどの症状が見られます。早期から脳トレや適度な刺激を与えることで進行を遅らせることが可能です。

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腫瘍・がん

シニア期に発症率が高まります。しこりや腫れ、食欲低下、急激な体重変化があれば早めに受診しましょう。定期検診での早期発見が治療の鍵となります。

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歯周病

3歳以上の犬猫の約8割に見られるとされますが、シニア期には進行して歯が抜け落ちることも。口臭、食べ方の変化、よだれが増えたら要注意です。

6. 介護グッズと住環境の工夫

シニアペットが安全に快適に過ごせるよう、住環境を整えることが大切です。ちょっとした工夫で、ペットのケガや事故を防ぐことができます。

室内で安心して過ごす犬

おすすめ介護グッズ

  • 歩行補助ハーネス:後ろ足が弱くなった犬の歩行をサポートします。腰部分を支えるタイプが人気です。
  • 介護用マット:低反発素材で体圧を分散し、床ずれ(褥瘡)を予防します。
  • ペット用おむつ:トイレの失敗が増えたペットに。マナーベルトタイプやパンツタイプがあります。
  • 滑り止めマット:フローリングでの転倒を防ぎます。廊下やトイレ前に敷くと効果的です。
  • ペット用スロープ:ソファやベッドへの昇り降りをサポート。関節への負担を軽減します。
  • 高さ調節付き食器台:首を大きく下げずに食事ができ、消化を助けます。
  • ペット用カート:散歩中に歩けなくなった時のための移動手段として。外の空気を楽しませてあげられます。

住環境の工夫

  • 段差の解消:部屋間の段差にはスロープを設置。階段には柵をつけて立ち入りを防止しましょう。
  • トイレの近くに寝床を配置:移動距離を短くして、トイレの失敗を減らします。
  • 室温管理:シニアペットは温度変化に弱いため、エアコンやヒーターで適温(20〜25度)を保ちましょう。
  • 照明の確保:視力が低下しているため、夜間もフットライトを点けておくと安心です。

7. QOL(生活の質)を保つために

シニアペットの介護で最も大切なのは、「ペットの生活の質(QOL)」を保つことです。治療や介護に正解はなく、ペットの状態や性格に合わせて、最善の方法を模索していくことが求められます。

スキンシップを大切に

シニアペットは不安を感じやすくなります。優しく撫でたり、一緒にいる時間を増やしたりして、安心感を与えてあげましょう。

生活リズムを整える

食事、散歩、睡眠のリズムをなるべく一定にすることで、認知症の予防にもつながります。規則正しい生活を心がけましょう。

適度な刺激を与える

知育おもちゃやにおい嗅ぎ散歩(ノーズワーク)など、五感を刺激する遊びは脳の活性化に効果的です。

飼い主自身のケアも忘れずに

介護疲れは深刻な問題です。ペットシッターや訪問介護サービスを活用して、自分の時間も大切にしましょう。

8. 終末期ケアという選択肢

ペットの病気が進行し、治療が難しくなった時、飼い主はとても辛い決断を迫られることがあります。終末期ケア(ターミナルケア)は、ペットの痛みや苦しみを軽減し、残りの時間をできるだけ穏やかに過ごすことを目的とした取り組みです。

  • -痛みの管理:鎮痛剤や抗炎症薬で痛みをコントロールし、ペットが穏やかに過ごせるようにします。
  • -在宅ケア:自宅で最期を迎えたい場合、往診対応の獣医師に相談しましょう。住み慣れた環境でのケアは、ペットにも飼い主にもストレスが少ない方法です。
  • -獣医師との相談:延命治療を続けるべきか、QOLを優先するべきか、獣医師と十分に話し合うことが大切です。
  • -お別れの準備:後悔しないために、事前に火葬や供養の方法について調べておくことも重要です。心の準備ができることで、最後の時間をより大切に過ごすことができます。
万が一のときに備えて、ペット火葬の情報も事前に確認しておくと安心です。詳しくはペット火葬ガイドをご覧ください。

9. よくある質問

犬は何歳からシニアになりますか?
小型犬は10歳頃、中型犬は8歳頃、大型犬は6〜7歳頃からシニア期に入るとされています。猫の場合は一般的に11歳頃からシニア期とされます。ただし個体差があるため、定期的な健康診断で獣医師と相談することが大切です。
シニアペットの健康診断はどのくらいの頻度で受けるべきですか?
シニア期に入ったペットは半年に1回の健康診断が推奨されます。特に持病がある場合や、急激な体重変化が見られる場合は、獣医師の指示に従いより頻繁に受診しましょう。血液検査、尿検査、レントゲンなどの総合的な検査が重要です。
シニア犬・シニア猫の食事で気をつけるポイントは?
シニア用フードへの切り替え、消化の良い食材の選択、適切なカロリーコントロールが重要です。また、関節ケア成分(グルコサミン・コンドロイチン)や抗酸化成分を含むフードを選ぶと良いでしょう。水分摂取量が減りやすいので、ウェットフードの活用もおすすめです。
ペットの介護費用はどのくらいかかりますか?
介護の内容により異なりますが、月額で食事代(シニア用フード)5,000〜10,000円、サプリメント2,000〜5,000円、通院費5,000〜20,000円、介護用品3,000〜10,000円程度が目安です。重度の介護が必要な場合は月額5万円を超えることもあります。ペット保険でカバーできる部分もあるため、事前に確認しておきましょう。

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